01 2014

大正さろん仏像彫刻教室の思い出

大正さろん仏像彫刻教室は、2014年6月まで、およそ2年間にわたり継続して開催することができました。この間、大正大学周辺に住む地域住民の皆さまや大正大学の学生たちと多くの作品を作ることができました。そこで、仏像彫刻教室終了にあたってこの教室の成り立ちと、活動を振り返ってみたいと思います。

仏像彫刻教室は、もともと大正大学にほど近い東京都豊島区の西巣鴨の庚申塚商店街に位置する大正さろんで始まりました。大正さろんは、大正大学の教職員が地域住民とともに携わるNPO法人(「NPO法人でもくらしぃ」)が運営するコミュニティスペースで、大学生から地域の高齢者、特別支援学級に通う児童・生徒たちやその保護者まで幅広い層の利用者が訪れていました。さらに、大正さろんでは、大正大学大学院の講義も行われていました。

大正さろんでは、地域住民を対象ににぎり仏教室なども行われ、その作品がさろん内に飾られていました。そうした作品に目をとめた地元の工務店の社長が紹介してくださったのが、菅谷先生でした。
菅谷先生は、戦後大工を生業とされていましたが、引退後に趣味として木彫りの彫刻を始められました。その後、仏像に興味をもち、仏像彫刻を教える教室に通いながら、博物館や美術館の作品や仏像の写真集を手本に、様々な仏像を彫るようになった方です。仏像彫刻教室は、大正さろんの火曜日のプログラムとして毎週行われていました 。そんな先生の「さろんを利用する子どもたちに彫刻を教えたい」という申し出が大正さろん仏像教室が始まるきっかけでした。


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大正さろん仏像彫刻教室は、大正さろんの火曜日のプログラムとして毎週行われました。この教室は、大正さろんが閉室するまで続き、講師でもある菅谷氏を中心に、地元の住民や学生といったさろん利用者やスタッフ延べ20名ほどが参加していました。大正さろんでのこの取り組みは、としまテレビにも取り上げられました。

残念ながら、大正さろんは2012年12月をもって閉室することになってしまいます。それでも閉室した大正さろんにおける地域住民との交流は、「仏像彫刻教室」という形で継続されました。大正さろん閉室にあたり、菅谷先生や参加者から、「制作中の作品を完成させたい」「さろんに代わる居場所がほしい」「彫刻を教わりたい」といった要望が出ていました。そこで、2013年2月から、仏像彫刻教室は、大正さろん閉室後も活動場所を大正大学内に移し、「大正さろん仏像彫刻教室」と名前を変え、継続して毎週火曜日に行われることとなったのです。

その後、大正さろん仏像彫刻教室は、毎週火曜日12時から14時に、大正大学の鴨台プロジェクトセンターの会議室を借りて行われました。この会議室は、通路に面する壁がガラス張りの構造になっています。そこで、完成した作品を外部に向けて展示しつつ、作業風景も公開しました。なお、この教室で使われる材料は、地域の工務店からの提供を受けることができました。そのため、教室には誰でも無料で参加することができました。

開始当初は、大学が春休み中で、参加者は仏像彫刻教室からのメンバーとさろんの元スタッフだけでした。しかし、4月以降は興味を持った学内の学生が参加し始めました。多くの学生が、完成するまで継続して参加することはできませんでしたが、なかには1年以上にわたって参加する学生もいました。さらに、仏像彫刻教室には、大正大学内の「鴨台観音」 で堂守のボランティアをしている地域の住民が継続して参加するようになっていきます。そして、完成した作品は2013年と2014年の2度にわたって大正大学で行われる鴨台盆踊りで展示することができました。

こうした活動の広がりは、講師を務めていただいた菅谷先生の人柄の影響がとても大きかったです。菅谷氏は、「ここが遊び場」と語り、いつも楽しそうに、誰よりも熱心に彫刻に取り組まれていました。また、これまでの大工仕事で培った木材や道具の知識や技術を参加者にわかりやすく伝え、仏像に関することは誰よりも熱心に学習されていました。仏像彫刻の技術も非常に高く、作品の一部はその後も学内に飾られています。




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